皆さんご存知ですか?2024年から資産形成において革命的な制度が始まります。そう「新NISA」の開始です。そもそもNISA(少額投資非課税制度)とは株式や投資信託等の購入で得た利益が非課税になる制度のことです。2024年からこの制度が大きく変わって我々個人投資家にとってもっと価値の高い制度に生まれ変わるのです。これまでNISAを利用していた人もそうでない人も新NISAは可能な限り利用した方が将来の資産形成に大きな差がつく制度と言えます。ここでは新NISAの概要とそのメリットについて説明します。
そもそもNISA(少額投資非課税制度)って何?
NISAとはNippon Individual Savings Accountの略です。Individual Savings Accountというのはイギリスで実施されている個人貯蓄口座のことで、それの日本版ということでNISAと呼ばれています。
通常は株式や投資信託の売買で得た利益や配当金には税金がかかります。現在であればこうした利益には20%の税金がかかるのです。従ってもし100万円の利益を得たとしても実際は100万円×20%=20万円の税金がとられてしまい、手元には残りの80万円しか残らないのです。
ところがNISAでは「投資できる金額に上限を設けたうえで特定の期間であれば利益に一切税金がかからない」という制度になっているため定められた非課税保有期間であれば利益がいくら出ようとも税金はゼロなのです。つまり少額投資に対して非課税の制度ということです。ありがたい制度ですよね。
2023年まではNISAには3種類が存在し一般NISA・積立NISA・ジュニアNISAと区分されていました。それぞれの概要は下表のとおりです。
一般NISA | 年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有 |
積立NISA | 年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有 |
ジュニアNISA | 年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有 |
それぞれ一長一短のある制度で、無いよりはマシなのですが年間投資可能額が少なかったり非課税保有期間が短い等使い勝手が悪いとの指摘がありました。そこで2023年まで続いたNISA(旧NISA)の制度は全て一本化され2024年から新NISAとして生まれ変わることになりました。
新NISAは旧NISAと何が違うの?
それでは2024年から始まる新NISAは旧NISAとどこが違うのでしょうか。ポイントは次の3点です。それぞれ見ていきましょう。
制度の一本化
旧NISAでは3つに分かれていた区分が新NISAでは1つに統一されました。もうややこしい制度に悩まされる必要はありません。新NISA口座の開設をしたら用意されるNISA用口座はたった1種類。選択の余地はありません。誰にとっても同じNISA口座です。
非課税期間の無期限化
新NISAでは非課税期間が無期限になりました。これは画期的なことです。旧NISAでは一般NISAで5年間、積立NISAで20年間と非課税として扱われる期間が制限されていたのに対して新NISAでは期限が無く非課税なのです。長期投資をしたい方には大きな力となるでしょう。
投資可能額の大幅増加
新NISAでは投資可能額が年間360万円まで、合計で1800万円までと大幅に増加しました。しかもこの投資可能額は保有した株式・投資信託を売却した場合には翌年に売却した分の投資枠が復活するのです。これはありがたい制度ですね。
年間投資額には一応内訳が決まっていて積立投資枠120万円・成長投資枠240万円の合計360万円となっています。成長投資枠は投資信託に割り当てることも可能なので、積立長期投資のみ行いたい方の場合は360万円の枠を全て長期積立用の投資信託に割り当てても良いかもしれません。
新NISAをどうやって利用すると将来のためになるの?
今回の新NISAの制度は政府が「貯蓄から投資へ」の流れを後押しするために始めるものです。「老後2000万円問題」等が取りざたされていますが、国の年金制度だけでは今後の少子高齢化社会を生きていくのは不安が大きいということは否定できません。新NISAの開始を切っ掛けに自分自身で将来の老後の資金や子供の教育費に備えておくのも必要なのではないでしょうか。恐らく政府も年金制度だけで老後の安定は難しいと判断したからこそ新NISAという資産運用に役立つ強力な制度を準備したのだと思います。これを利用しない手は無いでしょう。
それではどのように新NISAを利用したら良いのでしょうか。お勧めはやはり資産形成の基本である「長期・分散・積立」ということになると思います。したがって手数料の安い分散投資目的の投資信託などに長期間にわたってコツコツを積み立てを行うというのがより安全でより確実に資産を増やすための近道と言えそうです。私は全世界に分散投資するインデックス投信でコツコツ積み立てを行います。皆さんはどうされますか。よければ下記の記事も参考にして検討してみてください。