QDレーザの試作品をチェックしてきた
2023年度のCEATECが幕張メッセで開催されました。昨年と同じくTDKのブースにてQDレーザの量子ドットレーザを採用したVRグラスが展示されていましたので簡単に報告致します。
はい。こちらがCEATECの会場になります。会場はとても広くて歩き回っているとすぐに疲れてしまうのですが毎回非常に興味深い技術が展示されていて企業の方に直接質問したりできるので投資家的には楽しめます。
もちろん私は真っ先にTDKブースへ直行しました。朝いちばんに駆け付けたので待ち時間も無くVRグラスを試すことができました。
今年は昨年と何が変わっているかなぁ・・・と思いつつ係の方の説明を聞きます。
昨年からの変更点としてはまずレーザーの解像度が上がっていました。次には眼鏡のフレームが細くなっていましたかね。
バッテリーのフレームへの内臓化や信号のワイヤレス化は今回はまだ実現されていませんでした。今年一番期待していたのは現在開発中で既に関連特許の申請も行われている「アイトラッキング」が実装されていることでしたが・・・残念。こちらもまだ実装には至っていませんでした。昨年より画像の解像度が上がっただけということで正直期待外れでした。
今回新たに展示されていたのは両眼での網膜投影による画像の立体視の技術でした。こちらもアイトラッキングは実装されていないのですが・・・。
解像度が高くなっていることもあり両眼での立体視をするとちょっと感動しました。ゲームの戦闘機が飛んでいるような画面を見たのですが目の前の宙に戦闘機が浮いているように見えて、しかも網膜投影なので見ようとしなくても見えるという不思議な感覚。とにかくアイトラッキングの搭載を急いでほしいですねぇ。
証券会社の目標株価引き下げをくらった
2023年10月26日、SMBC日興証券がQDレーザの投資判断を「1」→「2」へ格下げし、目標株価を1750円→560円と減額しました。
Rettisaの成長可能性が既に立ち消えているとの判断で2024年3月期の業績予想も20億3000万円の黒字から4億9000万円の赤字へ引き下げています。
2024年3月期に黒字化するという予想はともかくRettisaの成長可能性が既に立ち消えているとは考えにくいと思います。ただ海外企業もVRディスプレイや眼鏡に注力しているのでもたもたしていると「技術で勝ってビジネスで負ける」という日本企業お得意のパターンになりそうで心配しています。
もちろんQDレーザの価値の根幹は量子ドットレーザによる光電融合や自動車メーカーによるLiDARへの採用であると思うのですが。今後もRettisaの開発進捗は注目していきたいです。