株価が暴落すると「リーマンみたいに」とかって言いだす人が時々いるよね。あれって何のことなのかしら?サラリーマンのこと?
えっ!「リーマン」と言えばリーマンショックに決まってんじゃん!投資家の常識だよ
リーマンショック???サラリーマンが気絶したのかしら???簡単に教えてよ!リーマンショックのこと
・・・(笑)最近投資を始めた人は知らないのか?無知にも程があるな・・・。じゃあ簡単に概略を説明するね。
リーマンショックってなんのこと?何が起きたの?
リーマンショックとは
リーマンショックとは2008年にアメリカの歴史ある投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻したことに端を発する世界的な経済の混乱のことです。負債総額およそ6000億ドルという巨額の負債を抱えて破綻しました。
リーマン・ブラザーズはサブプライム住宅ローン(信用の低い人のために住宅ローンを貸し付けるローン)を取り扱っていたのですが、これがアメリカの住宅バブルの崩壊に伴い回収不能となり同社の損失につながりました。
リーマン・ショックは100年に1度の経済危機と言われています。当時日経平均株価は60%以上も下落しました。この下落を予測して大儲けした投資家もいて映画化もされています。
何故世界的な経済の混乱につながったの?
リーマン・ブラザーズの破綻のみであればあれほどの混乱にはつながらなかったかもしれませんが、サブプライム住宅ローンが証券化されて様々な金融商品の一部として組み込まれていたことが大きな問題でした。
住宅バブルの崩壊でもともと返済能力の低い人達を対象にしたサブプライム住宅ローンはすぐに焦げ付き返済が滞ると、「様々な金融機関や個人投資家が保有している金融商品の中にもサブプライム住宅ローンが組み込まれているのではないか?もしそうならそれらの金融商品を持っている投資家は大損をするのではないか?」とあらゆる市場参加者が疑心暗鬼になりました。この状態を信用収縮と呼ぶのですが、こうなると市場から一気に資金が引き上げられたり貸し出しが行われなくなったりします。そして経済そのものが麻痺してしまうのです。この信用収縮は世界中の金融機関に広がりました。
事実、リーマン・ブラザーズ破綻後は他の大手金融機関や住宅ローン取り扱い会社が相次いで経営危機になり一部は倒産してしまいました。これに伴って株式市場からも一気に資金が引き上げられ大暴落をしたわけです。本当に恐ろしいくらい毎日毎日株価が下がり続けました。
リーマン・ブラザーズ以外の巨大な金融機関も破綻の危険性があったのですが、「大きすぎて潰せない」ということがしきりに言われて、結果的に7000億ドルもの公的資金を注入することになりました。大きすぎる金融機関が破綻・倒産すると経済全体が壊れてしまうという危惧からです。
今後も同様のショックが起きることはあるの?
リーマンショックの大きな原因は「証券化」にあると考えられます。しかしリーマンショック後も証券化の手法は引き続き世界中で行われています。本来リスクを分散するために考え出された証券化の手法なのですが逆に信用収縮を引き起こしリスクを増大させる結果となってしまったことは今後の金融市場の発展のための教訓となったのではないでしょうか?
今後も証券化によって信用の低いローン等が多くの金融商品に組み込まれることがあればリーマンショックの再来もあり得るかもしれません。
またリーマンショックが住宅ローンを発端にして起きたように、大きなバブルが崩壊すれば予期せぬ形で同様の金融危機が起きる可能性は十分にあります。バブルは防ぐことができないし、その崩壊は常に繰り返されているのですから。