投資歴も長くなってくると色々な経験をすると思います。中には退場してしまう人も。これまで私が経験してきた中で最高に上手くいった銘柄と最悪だった銘柄を紹介します。
過去に上手くいった投資
最も上手くいった投資と言えばダントツでこれです。
そうバイオベンチャーの「シンバイオ製薬」ですね。シンバイオ製薬は「がん・血液・自己免疫」等の希少疾患向けの薬の開発を行っています。ほとんどが失敗に終わる新薬開発の中で成功確率を高めるためにヒトでのPOCが得られた薬を導入し臨床試験を行うことで上市させるというビジネスモデルです。
私がこの会社に注目したきっかけは当時開発中だった「トレアキシン」という抗がん剤をシンバイオ製薬が扱っていたからでした。私は医師でもあり、抗がん剤の専門家でもあります。従ってこの「トレアキシン」のことは非常によく分かっていましたし、実際に患者さんに投与した経験も何度もありました。当時(2020年だったと思います)シンバイオのトレアキシンはまだ投与できる疾患が限られていました。しかし欧米ではトレアキシンにあたるベンダムスチン塩酸塩という薬が非常に多くの癌に対して使われていましたし、その治療成績も安全性も従来の治療法に比べて革命的な物でした。
ところが日本では日本人を対象に臨床試験をしないことには投与ができないため、臨床試験の費用がかさみ毎年大赤字。ワラントにつぐワラントで投資家からは某掲示板等で馬鹿にされているだけの銘柄でした。
ある程度臨床試験が進みこの先の適応拡大が見えてきたタイミングで私はシンバイオ製薬の株式を平均500円くらいだったと思いますが現物3万株(信用も数万株)買いました。その直後、このトレアキシンが日本血液学会から標準治療薬として認定(欧米では既に第一選択薬だったので当然ですが)され、適応範囲が一気に拡大。あっという間に黒字に向けて進み、株価が大暴騰しました。
黒字化が確実になると狂ったように上昇を始めアッという間に5倍の2500円を超えていきました。結局信用分と現物を何回かに分けて利確して合計で7000万円近い利益を得ることができました。
よく「自分の解っていないものには投資するな」と言いますが、逆に「自分のよくわかっているものには積極的に投資しろ」という教訓を得ました。ネットでどれだけシンバイオが叩かれて、どれだけ株価が冴えない日が続いても、自分は圧倒的に抗がん剤に詳しいので安心してこの銘柄を買い、そしてホールドすることができました。今後も良いバイオベンチャーを見つけたら積極的に投資したいと思います。当時某Y掲示板等で会社を批判している人たちの書き込みを見ていると、何も分かっていない人が製薬会社の株を買って損しているんだなぁ・・・と思いました。
過去に失敗した投資
過去にダントツで失敗した投資はJIG-SAWですね。IoT関連の会社です。ホームページを見るといかにもかっこいい感じで、非連続的な成長を謳っています。しかし全く成長しませんでした(笑)
忌々しい記憶なので詳細は朦朧としていて覚えていないのですが、損切が700万円くらいになったのは確かです。
反省点としては詳しく調べてもいないし、自分の専門領域でもないのに軽い気持ちで大きなロットを入れすぎたことが挙げられます。最低の投資(そもそも投資になってない)でした。一時的に急上昇したので遅れまいと追っかけ買い、その後追加し伸び悩んだところで直ぐに損切撤退すべきだったのですが、「凄そうな会社だしまだ伸びるだろ?」とホームページの雰囲気と「非連続的成長」という謳い文句に騙されてまんまと含み損を膨らませてしまいます。さらにはこの銘柄自体が板が薄いので損切使用にも大きな枚数を一気に投げると大損してしまうため尚更損切を躊躇してしまいました。ですから、「解らないものは買わない」「雰囲気に騙されない」「板の薄い銘柄は買わない」の3つはその後も心がけています。
振り返りが大事
皆さんも自分のトレードを定期的に振り返って、「何故うまくいったのか?」「何故失敗したのか?」時々振り返りながら教訓を得ていってください。同じ失敗を繰り返さないようにするだけできっとトレードの成績も上がっていくと思います。