バイオベンチャーのゴールはどこにある???
バイオベンチャーは最終的に何を達成したらゴールになるのでしょうか?薬の販売でしょうか?
要はどこまで上手くいったらバイオベンチャーに大金が舞い込むのでしょうか?これが意外にも投資家に理解されていません。
バイオベンチャーのゴールには大きく分けて以下の2種類があります。
- 自社一貫体制
こちらの方法は要するに開発から販売まで全て自社で行い、その中で得られる利益はひとり占めという方法です。ただし時間もコストもかかりよりリスクが高い方法と言えると思います。もともと資金力の乏しいバイオベンチャーでは最近は避けられがちかもしれません。 - 導出
こちらの方法は人間でのPOC(proof of concept:要するに人間に使った場合予想していた作用や安全性が得られるか?Phase1や2が該当する)が達成あるいはそれに近い段階まで開発が進んだ後、他の大手製薬会社と協力して開発・販売へこぎつけるという方法です。バイオベンチャー側としては開発・販売までの様々な段階でまとまったお金が手に入ることでリスクを減らせますし、資金の獲得が行いやすくなります。一方で大手製薬会社としては将来有望な薬の原石を買い取って販売することができます。うまくいけは両社にとってWin-Winの関係と言えます。
契約一時金 | 契約締結時に一時金として受け取る対価 |
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マイルストーン収入 | 〇開発マイルストーン 契約締結後、自社又は提携先における研究開発が進捗し、契約上規定された特定の開発目標を達成した時の対価 〇販売マイルストーン 医薬品販売後に、事前に設定した年間販売額を達成した時に受け取る収益 |
ロイヤリティ収入 | 上市後に当該製品売上高に対して一定割合を受け取る収入 |
どれくらいの規模の売上になるの?
こればっかりはケースバイケースとしか言えませんね。製品の需要や価格帯によって変わってきますが。一例を以下に掲載しておきます。参考までに。
例えば血液領域の真性多血症という赤血球が増え過ぎて問題となる病気があります。その治療薬を開発した3つの企業の導出結果が以下の表です。契約金で数十億、マイルストーンは数百~千億以上となっています。このようにまとまった主な収益はマイルストーン収入から発生すると言えるかもしれません。勿論ロイヤリティもコツコツと入ってきて重要ですが。
上記は導出型の場合であり、一貫体制の場合は契約一時金等の段階的な収入は一切ありませんので、開発が全て終了して上市するまでひたすら自社の資金で乗り切るといういばらの道になります。その分増資のリスクも高くなりますし株主が財布としてしっかり頑張る必要があります。
どちらも企業・株主ともに一長一短ですね。みなさんはどちらが好みでしょうか?