臨床試験ってなんだ?
臨床試験とは薬の販売にこぎつけるまでに必要な安全性と有効性を証明するための試験になります。研究室で培養細胞を使って薬の効果を実験する分には自由なのですが、その薬を人に使おうとなると事前に大掛かりなテストが必要になるのです。
臨床試験は次のように大きく3段階に分かれています。1相~3相(Phase1~Phase3)の3段階ですね。それぞれの段階には目的があります。
- Phase1:主に安全性を確認する
少数の健康な人を対象に薬を投与して安全性や体の中での薬の代謝等を確認します。 - Phase2:薬の用量や投与回数を決定する
少数の患者さんを対象に薬の用量や投与回数を決定するためにいくつかの投与量や投与回数のグループに分けたりしてどれが適切な使い方かを確認します。 - Phase3:最終的に本当に効果があるといえるか?従来の治療法より優れているか?確認
多くの患者さんを対象に薬を投与する大規模な臨床試験です。実際の使用に当たって本当に効果があるいえるのか?を統計学的に証明します。
このような臨床試験を全てクリアして初めてお役所に薬を申請し、認可されれば一般に販売・使用できるのです。ケースバイケースですがPhase1からPhase3まで全ての試験が終わるのに短くても3年、長ければ10年程度の時間が掛かってしまいます。
さらには臨床試験はPhase1からPhase3へ進むにつれてより多くの資金が必要になります。数十億かかるのは当たり前の世界です。化学物質を探してから実際に臨床試験に合格して販売できる可能性は4万分の1くらいと言われています。とても狭き門なのです。
ですからバイオベンチャーは巨額の臨床試験費用を捻出するために資金調達に追われる運命なのですね。